2013年5月8日水曜日

極北の狩猟民カスカ展


動物と暮らす北の森の民
生活の風景・骨と皮・伝統工芸品


2013年5月13日(月)〜6月1日(土)
10:00〜17:00 休館:木・日・祝
大學堂2階「屋根裏博物館」入場無料



ワークショップ◆
「カスカ・スタイルのビーズ刺繍」
5/18(土)
14:00~14:30展示解説(無料)
15:00~17:00 カスカ・スタイルのビーズ刺繍づくり(※要申込)※先着5名様限定 申込5月10日まで:材料代1,500円
ユーコンハーブのお茶付き ヘラジカ皮にビーズ刺繍をしたブローチをお持ち帰りいただけます


公開シンポジウム◆ 
「狩猟生活の世界」
6/1(土)14:00~16:30(無料)
※狩猟民研究者が一堂に会し、森と海と空の狩猟生活を語ります
クマを撃つ 山口 未花子
イルカを追う 竹川 大介
ゾウを倒す 林 耕次
タカで狩る 南 香菜子


「極北の狩猟民カスカ展」では,北九州市立大学講師の人類学者山口未花子が出会ったカナダ・ユーコン準州の先住民カスカの暮らしを紹介します。山口は、北大博士課程在学中からユーコンに通いカスカの古老に動物に関する知識や狩猟の技術、神話や宗教実践について学び、人々と動物との関係を明らかにしてきました。
カスカの人々が暮らすカナダ極北の森には、人間の主食となる植物が育たなかったため人々は動物を狩り、それによって暮らしをたててきました。また、北の森の、特に冬の動物たちは寒さから身を守るためにとても素晴らしい毛皮を持っています。カスカの人々も防寒具の素材として、また交易のアイテムとして美しい毛皮をもつ動物を沢山獲ってきました。
このように動物に大きく頼って生きてきたカスカの人々は、動物に関する知識や技術に優れているだけでなく、動物との良い関係、霊的なつながりを大切にしています。人々は夢の中で動物と話したり、動物が与えてくれたその体を隅々まで「大切に、正しく」使うことでそうした動物との絆を維持してきました。
今回展示しているヘラジカやビーバーの皮からは、彼らの気配が宿っているような生命力が感じられます。ヘラジカのなめし皮は、伝統的な方法で、ヘラジカの脳漿を塗った皮を朽木で燻したりしながら、程よい風合いと柔らかさをだすために石の擦り棒で古老がひたすら擦ったもの。これらのモノや写真を通して、北の森で今も繰り広げられている人間と動物の織りなす世界に思いを巡らせていただければ幸いです。